不満を抱いた顧客の行動

過去の研究結果では、不満を抱いた顧客は以下の五つの行動をとってきています。


① 次回も黙って購入するが、何か問題がないかアラ探しする。
② 沈黙したまま、他企業の商品の購入に切り替える。
③ 友人や隣人に、自分が体験した不満を語る。
④ 第3者に、自分の不満を公表する。
⑤ 当該企業に不満を訴える

5番目の「当該企業に不満を訴える」という行動が採用されると、企業は自社の問題状況に気づき、是正策をとることができるのですが、その行動がとられるのはわずか4%にすぎません。
残りの96%はアラ探しをするか、他人に悪口を伝えるか(悪口といっても悪意があるわけではなく消費者にとっては情報です。)、黙って他社にスイッチしていきます。
また商品やサービスに対する不満が原因でスイッチした顧客の91%は2度と当該企業の商品を購入しないと回答しています。
さらに不満を抱いた1人の顧客は自分の周囲にいる9人の友人や隣人に、企業の悪口をいいがちであるといいます。つまり1人に与えた不満は、その10倍の10人に、企業にとっての不利益情報として伝達されます。
従って、能動的な不満情報の収集・分析により問題の核心を把握すること、そして解決策の提示と提示した解決策について評価することなどの「不満」対策が求められるのです。


顧客満足の確認


P.コトラーは、顧客満足の確認のためには


顧客の苦情や助言の把握と対応のしくみを作る。
顧客の満足度を定期的に測定、時系列分析する。
顧客の喪失(ブランドスイッチ)の原因を分析する。
ミステリーショッピングにより現状を評価する。

の4つの手立てが必要としています。


顧客の苦情や助言の把握対応のしくみを作る。

顧客対応オペレーション

顧客の苦情や助言といった情報を収集する第1の目的は、個別の問題点をいちはやく発見し、 迅速で適切な対応で顧客の不満を解消するということですが、それ以外にもこれらの情報には 「新たな商品やサービスのヒントとなる情報が多く含まれる」という点も見逃せません。
弊社では、CSカードやWEB上の顧客窓口から得た情報に迅速に対応し、さらに情報を蓄積・分析し、定期的なフィードバックを行うサービスをご提供しています。


顧客の満足度を定期的に測定、時系列分析する。

顧客満足度調査

満足度を把握するということは、商品を購入した、あるいは店舗を利用した結果、 『満足した』(ニーズを満たした)と思わせ、かつ商品によっては『また買いたい』(利用したい)と 思わせることができているかを把握することです。 これを企業側から見れば、顧客のニーズをもとにしてつくられた商品あるいはサービスが、 本当に顧客のニーズを満たし、(つまり満足させ)「また買いたい」あるいは「また利用したい」と 思わせることができているかを把握することです。
弊社では、自社、競合他社、市場全般の顧客満足を定期的に測定し、それぞれとの比較で自社の勝っている部分、劣っている部分を明らかにするリサーチプログラムをご提供しています。


顧客の喪失(ブランドスイッチ)の原因を分析する

顧客喪失防止のための基礎調査

喪失あるいは休眠状態に陥る顧客の殆どは、沈黙したまま、 他企業の店舗や商品の購入に切り替えていきます。自社に問題があるにもかかわらず、 それを放置したままにしておくと、新規顧客の獲得数よりも喪失する 顧客の数が増えるという事態、つまり顧客がどんどん減っていくということにもなりかねません。
よって、どのような事が原因で、何が嫌で休眠、あるいは喪失(ブランド・スイッチ)したのかを把握し、 対策を講じる必要があります。
弊社では、顧客の休眠・喪失の原因を明らかにするリサーチプログラムをご提供しています。


ミステリーショッピングにより現状を評価する。

ミステリーショッパー

満足度を把握するための前提として、本当に自社の商品(サービス)が当初のコンセプト(マニュアル) に沿って提供ができているかどうかを確認することが必要です。 飲食店など、商品にバラツキが発生する可能性のある業種の場合、現状の顧客の満足度とともに、 基本的な商品コンセプトが具現化されているか、つまり現在の顧客の満足度は、 当初意図したとおりの商品・サービスの提供が実現された上でのことなのかを 把握する必要があります。
ミステリーショッパーとは、調査員が顧客(見込み客)として店舗を利用し、ふだんのありのままの状態を測定・評価するものです。