モノづくりの前に売れる可能性を知る

「新製品を開発する前に、開発作業を正当化するに足る十分な市場が存在するのかどうか、という疑問を呈することをしない企業が多い。開発作業を開始するにあたって重要なポイントは、買う意向のある消費者がどれだけいるのか、という点である。この点は無視されていることが多い」という指摘があります。商品コンセプトテストは、まさにこの点を解決を解決するステップであり、 モノづくりの前に売れる可能性を知る作業です。

商品コンセプトテストは商品コンセプトに対する消費者の反応を調べることによって、現時点における消費者のニーズや広がりがどの程度のものであるかを知ることができます。
消費者は自分がどのようなニーズを、どの程度もっているかを常に自覚できるとは限りませんが、商品コンセプトを呈示されて、それが欲しいかどうかを問われれば、例外なく答えることができるのです。

商品コンセプトテストを行う最大のメリットは、どのような消費者が、どの程度その商品をトライアルするかということがモノを作る前に予測できることです。従って、設備投資や販売に伴う諸費用を投資する前に、失敗のリスクを回避できるのです。

アイディアスクリーニングテスト

アイディアスクリーニングテスト(コンセプトスクリーニングテスト)はアイディア作成の段階で作られた数多くの商品アイディアの中からどれを具体的に製品化するかを決めるためのテストです。この段階では50個とか100個単位でアイディアがあるので、テストの方法もすれら全てを同時に、簡単にスクリーニングできるものでなければなりません。

スクリーニングテストの方法


技術的可能性の評価

まずはじめに、担当者や開発部門での技術的可能性の評価を得ます。この評価はラフなものでよく、例えば以下のような評価項目で行います。

【1】自社技術がそのまま使える
【2】自社には技術がないが、他社技術を活用すれば可能
【3】1~3年かければ可能
【4】現時点での判断は難しい
【5】まず開発は無理

このうち【1】~【3】がスクリーニングの対象になります。

調査対象と手法

当然のことながら調査対象は「その製品のターゲットユーザー」となります(例えば、女性向け商品の評価を男性に聞いても評価もできないでしょう)。逆に言えばアイディアにサラリーマン向けのものと主婦向けのものがあったとすると、その場合はサラリーマンと主婦を別々に調べます。
また、同じ主婦の場合も年齢の上限・下限、年齢層ごとの割合など属性区分ははっきり決めておき、毎回同一の条件で行わないと、データの比較が難しくなってしまいます。

テスト法は従来、訪問調査・郵送調査などで行われてきましたが、現在ではコスト面の有利さから対象となる年齢層によってはインターネットリサーチも活用されています。サンプル数は1属性あたり200~300程度で行います。

アイディア(コンセプト)の仕様と呈示法

アイディア(コンセプト)は文章のみで表現することを原則とします。その場合、まず商品カテゴリーを明示し、その後にできるだけ短く要を得た説明文をつけます。説明文は最小限消費者にとってどのようなベネフィットがあるのかについて明示します。価格はつけません。

評価項目

基本的には使用意向(所有意向、利用意向、試食意向)と「目新しさ」の2項目で行います。

表現コンセプトテスト

スクリーニングテストの結果、上位にランクされ社内のプロジェクトとして承認されればいよいよモノづくりに入ります。(現実には受容性など無視してモノづくりが行われ出来上がってからどうやって売ろうかと悩むケースも多いのですが。)モノづくりが開始されるとそれと並行して表現コンセプトの作成を行います。表現コンセプトとは絞り込まれたアイディアについて、商品の特徴やベネフィットをはっきり伝え、「欲しい」と思わせることを目的としたもので、文章だけでなく写真やイラストなどを使用する場合もあります。

この表現コンセプトシートを消費者に呈示し評価を得るのが表現コンセプトテストであり、通常1案から数案のコンセプトシートを呈示し、評価を得ます。この段階では純粋な評価を得るためメーカー・ブランド名は伏せて調査を行います。※この段階で受容されたコンセプトは初期購入が期待できるものです。

商品コンセプトテストの方法


調査対象と手法

単一コンセプトをテストする場合はその商品の購買可能消費者のすべてが母集団となります。対象条件はなるべく広めにしておくと、後で分析しやすくなります。
一方、複数個のコンセプトを同時にテストしたい場合は、それぞれの商品の購買可能消費者を想定して、それら全ての消費者が含まれるようにします。

コンセプトシートの呈示法

対象者にコンセプトシートを手渡し(ネットリサーチの場合は画面に表示し)読んでもらいます。複数個のコンセプトを同時にテストする場合は、順序をローテーションして呈示することが必要です。

評価項目

基本的には使用意向(所有意向、利用意向、試食意向)とその理由、特徴別の魅力度、不信点、価格呈示後の購入意向とその理由、妥当価格などを聴取します。

弊社のリサーチプログラム

弊社ではインターネットリサーチや会場調査(セントラルロケーションテスト)、訪問調査・郵送調査などでアイディアスクリーニングテスト、表現コンセプトテストを実施しています。実施にあたっては、以下の基本となる情報をお伺いした上で、御社に最適なプランをご提案いたします。

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